いちじくの冬支度

自給自足・手仕事

どうも。しゅんすけです。
数日前、お世話になっている方が管理しているいちじくの冬支度に行ってきました。

そもそも「いちじくの冬支度って何するの?」状態だったわけですが、色々と教えてもらって、たくさんの学びがありました。

なかなか、いちじく栽培に関わる機会もないので、今回の学びを記録しておきたいと思います。

冬支度をする理由

ではまず、「いちじくの冬支度って何するの?」「そもそもなんでするの?」という人のために簡単な解説です。

秋の収穫を終え、葉も落としたいちじくは、冬になると次の春に向けて、省エネモードに入ります。
寒い冬を乗り越え、暖かくなってきたらまた葉を伸ばし、実をつけるためです。

で、その冬の間に何が起こるかというと、お腹を空かせたウサギなどの小動物が徘徊するそうです。
冬の間は、そういった小動物にとっても試練の時です。

ろくに食べ物もない中、一冬乗り切らなければならないので。

そんな時にいちじくの木を見つけたウサギは何をするか。

いちじくの幹をかじるそうです。

ウサギにとっては、生きるために仕方なくやっていることでしょうが、農家さんにしてみればたまったもんじゃありません。

幹を一周かじられると、それ以降の枝葉に栄養が行かなくなり、木全体がダメになってしまうことも。

そんな被害をなくすために、幹を保護するためのビニールをまくのが「冬支度」です。

年によるらしいですが、ひどい時は相当数被害にあうそうなので、この時期のとても大切な作業になりますね―――。

十本十色

では実際の作業です。
まあ、作業自体はとっても簡単で、基本的には3ステップで完了です。

①木の幹の大きさに合わせてビニールを切る
②幹に巻き付ける
③ホチキスでビニールを止める

以上です。

ちょっと寒い中での作業でしたが、初めてやることは楽しいですね。きれいに保護されているいちじくを見ながら、少しだけ達成感もありました。笑

でも、簡単なことだけではありません。

当然いちじくは生きているので、一つとして同じものはありません。
木の大きさ、幹の太さ、枝の伸び方、伸びる方向など、挙げればきりがないほど、様々な違いがあります。

そして、その違いを考慮しながら、どういった風に保護するかを決めていく必要があるわけです。

例えば、地を這うような形状で枝が伸びている場合は、小動物が枝にも届くので、枝も保護する必要があるとか、保護する枝にしても、生育が良い方を重点的に保護するとかですね。

あとは、その年の積雪量によっては、地面が高くなるので、そのことも踏まえて準備する必要もあるわけです。

そんな感じで、一本一本目で見て、確認しながら「どこを守ればいいのか」考えるのが、この冬支度です。

生産過程を知ること

ということで、いちじくの冬支度でした。(^^)

個人的には楽しく作業することができましたが、これが何十本、何百本となると、それは大変な作業になります。

そんな作業をさせてもらいながら、改めて、生産過程を知ることは生きてく上で絶対に必要なことだと思いました。
まあ、いつも思っていることではあるんですが、改めてですね。

よく、教育の世界では「今の子どもは切り身が海を泳いでいると思っている」とか「大学生に鶏の絵を書かせたら、四本足だった」とか言って、体験の重要性を説いたりしますが、今の大人だって、どうやって作られたか知らずに食べているものがほとんどじゃないでしょうか。(ぼくにもあります・・・。)

でも、やっぱりそれって大切なことだと思うわけです。

自分の口に入れ、自分の体を作っていくもの。もし、親なら、子どもの体を作っていくもの。それらのものが、どうやって作られたのか、誰が作ったのか、どのようにして作られたのか。

そんなことを知らずに生きていくことに違和感を感じてしまいます。

今回は、いちじくの冬支度に関わらせてもらいながら、そんなことを考えるきっかけになりました。(^^)

では、今回は以上です。

(しゅんすけ)