先日、森のようちえん全国交流フォーラムの分科会で講師を務めさせてもらいました。
ぼくの分科会には、30近い選択肢の中から約30名もの方が集まってくれました。
会場を見渡した瞬間、「こんなに“伝えること”に困っている人がいるんだ」と胸の奥がじんわり熱くなりました。
今回は、そんな分科会の振り返りを備忘録でまとめておきます。
ぼく自身が「伝えられなかった人」だった
じつは、教育の現場にいた頃のぼくは、伝えることに何度も敗北した人間でした。
子どもたちのために、本気でいいと思う取り組みをしているのに、なぜか伝わらない。
「こんなに大事なことなのに…」
そう思えば思うほど、スマホやゲームみたいな強い刺激に全部持っていかれる現実が、ただただ悔しかった。
「どうすれば、良い教育が“選ばれる側”になれるんだろう?」
それを考え続けた結果、ぼくはマーケティングやセールスライティングの世界に飛び込みました。
教育を、“本当に必要な人に届ける力”を身につけたい。
そんな想いからです。
分科会当日、見えた景色
今回の分科会には、メモを取りながら大きくうなずいてくれる方や、ワークに真剣に向き合ってくれている方がたくさんいました。
「いいことをしているのに伝わらない」
「本来の価値が届かないままでいる」
そんなもどかしさを抱えている仲間が、こんなにもいるんだ、と気づけたことがまず大きな収穫でした。
そして正直に言うと、ぼくの話がどれだけ伝わったか、自信はありません。
話しながら「あっ、ここ少し説明が足りなかったな…」と思う場面もありました。
それでも、終わったあとの気持ちはたったひとつ。
楽しかった。
心の底からそう感じました。
人は“自分の聞きたいこと”しか聞かない
今回の90分では、こんな話をしました。
・人は、他人が伝えたいことには興味をもたない
・読むのは“自分に必要な部分”だけ
・だから発信は「活動」より「変化」を伝えること
・ドリルじゃなくて“穴”を売る
・いいものを作るだけでは届かない世界になっている
教育をしているぼくらは、どうしても「いいことをしている側」の視点になりがちです。
でも、届けたい相手が何に悩んでいて、どんな未来を望んでいるのかがわからなければ、どれだけ素晴らしい活動も選ばれないままになってしまう。
その現実を、ぼく自身が痛いほど経験してきました。
今日から言葉をひとつ変えてみませんか?
今回の分科会でぼくが願っていたのは、“大改革”ではなく、「言葉をひとつ変えてみよう」という小さな一歩でした。
紹介文の一文。
SNSのひとこと。
説明の順番。
ほんの少し変えるだけで、受け取る側の世界はガラッと変わります。
そしてその一歩は、森のようちえんの本来の価値を、もっと多くの人に届けるきっかけになるはずです。
個別相談もゆるっと受けています
今回の講座では、時間の関係でお伝えしきれなかったことがたくさんあります。
もし、
・うちの園の言葉を一緒に見てほしい
・SNSやHPの発信を改善したい
・伝わる文章を作りたい
などあれば、気軽に声をかけてください。
ぼく自身が「伝えられなかった悔しさ」から抜け出したように、あなたの園の価値も、もっとちゃんと届くはずだから。
読んでくださり、そして分科会に参加してくださった皆さん、本当にありがとうございました。
これからも、一緒に“いい教育が選ばれる側になる未来”をつくっていけたらうれしいです。
しゅんすけ
